欧州では吸入や飲泉が中心です。次のようなものがあります。
①鼻洗浄 irrigazione nasale
②鼻腔シャワー douche nasale
③ピペット鼻浴 bain nasal a la pipette
④微粒子鼻シャワー docce nasali micronizzate
⑤塩泉室吸入 Sole-Inhalationsraum
⑥冷泉吸入 inhalations froides
⑦エアゾル aerosol
⑧蒸気吸入 humage
⑨噴霧 polverizzazione
⑩直接温湿噴射吸入 inalazione caldo-umida a getto diretto
⑪鼓室内通気 insuflazione endotimpanica
⑫うがい gargarisme
⑬温泉水放射(圧注) douche au jet
⑭サウナ Saunagarten
⑮鉱泥療法 fango
⑯浮力装置水中歩行 Aquajogging durch eine Auftribshilfe
⑰飲泉 Trinkkur
⑱足浴 pediluve
(直訳なので、正確な専門用語ではありません、念のため)
ひとつひとつ説明してもきりがないのですが、ほとんどが局所療法といえます。日本のように肩まで入浴して、その効果が心臓や肺、脳、血液など全身に及ぶ治療法(全身療法)とはかなり様相が違います。
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温泉医学Home (
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温泉医学index (
目次)
A 温泉研究 Balneology Research
Page 1
①
温泉の科学 Page 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
②
温泉研究業績 Page 10, 11, 12 : 13, 14, 15, 16, 17,
18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27,
③
温泉学会の案内 Page 28, 29, 30,
④
温泉療法医 Page 31
⑤
温泉医学アルバム Page 32
B 温泉療法 Balneotherapy
Page 33
①
温泉療法の実際 Page 34
②
安全入浴法 Page 35
③
泉質について Page 36
④
美人の湯 Page 37
⑤
言い伝え Page 38
⑥
よくある質問 Page 39 : 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46,
47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55,
56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64
Sebastian Kneipp (1821-1897) の提唱したクナイプ療法は、
1. 水の治癒力
2. 運動による活気
3. 植物で健康増進
4. 食事による健康
5. 精神と肉体の調和
で構成されています。クナイプ氏は神父で、医療従事者ではありませんが、若いころ大病(結核)を患い、上記の方法で自然に治ったので、この療養法を広めていきました。現代の医学にも通用する内容です。
独り言:
「入浴」や「湯」の文化のない国では「温泉=入浴」という観念がありません。
おっと、「温泉」「風呂」「入浴」という言葉も日本独自の発想でした。
外国では「プール pool」「泉 spring」、「mineral water」 ととらえています。
また「風呂=汚れを洗い落とす場所、不潔区域」と考えていて、日本のように
「風呂=入浴、快適な空間、リフレッシュ、清潔区域」とは思ってないようです。
なにしろ、浴槽と便器を同じ部屋に設置する無神経な人達ですからーーー
このような文化の違いが温泉療法の違いにも出てきているようです。
⑥かっけの湯
⑦熱湯
⑧温湯
⑨浅湯
⑩深湯
①打たせ湯
②うすめ湯
③目洗い湯
④飲み湯
⑤あわせ湯
なお日本に伝わる入浴法には次の15種類があります。
⑪蒸し湯
⑫時間湯
⑬長湯
⑭砂湯
⑮地蒸し湯
私は花の都パリ(フランス)に留学しましたが、どうしても便器を見ながら浅い浴槽に浸かるのだけは耐えられませんでした。
研究室のパリジェンヌ達に話したらーーー、
「あんた、あんなところにお湯ためて浸かってるの!?」
「浴槽はただの水受けよ。お湯なんか貯めちゃダメよ」
と逆に驚かれてしまいました。
日本語の「浴槽」は水槽のように多量の水を貯める意味を持ちますが、「bath + tub」の語源は「水洗い + 縁・板」という意味と思います(?)。つまり 「浴槽≠bathtub」 です。Bathtubは水はねを防ぐ板です、「浴」および「槽」という意味はありません。
フランス語で便所は "toilettes "(トワレット)で、化粧の "toilette"(トワレット)と同じ発音です。風呂場は"salle
de bain" というコトバがあるんですが、トイレと同室にあるので "toilettes "(トワレット)または"douche"(シャワー)と言ってました。あまり区別してないようでした。というより風呂場(風呂のための部屋)という概念が存在しないみたいです。フランス語圏では「便所=風呂場」なのでしょうか???
日本では風呂場は心身をリフレッシュする清潔空間ですが、欧米では汚れをおとす・排泄する不潔空間と認識しているようです。
ついでにもうひとつ驚いたのは、「カビ」と「キノコ」を区別していないことでした。食材の「キノコ」も "champignion" (シャンピニョン)といい、実験室の細胞培養液に生えてくる「カビも "champignon" といって全く同じ語を使っています。
毎日毎日研究室では
「あんた、また培養液にキノコ?(champignon)はやしたの!」
「わたし、きょうはカビ?(champignon)入りのピザが食べたい!」
なんぞという会話が飛び交っていました。
もっともカビ入りのチーズを好む民族ですから、「カビ」も「キノコ」も同じ食材と考えているのかもしれません。
われら日本人も納豆という腐った豆を食べておりますがーーー。
Page 59
20)外国の温泉療法はどのようなものでしょうか?
入浴を中心とした日本の温泉療法とは大きく違います。
温泉というと日本では入浴以外のことは考えられませんが、欧州では入浴なんて発想はありません。温泉保養地では散歩による森林浴、プールで水中歩行、広場でスポーツ、温泉水で吸入、飲泉ーーーという行動をとります。気候、森林、湖沼などの天然環境を広く療養に利用しています。
欧州では温泉療法というより気候療法、また温泉医学というより保養地医学という言葉のほうがずっと親しまれています。