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草津温泉 「時間湯」
12)熱湯の魅力は何ですか?
医学的価値はほとんどありません。
草津には江戸時代より伝わる「時間湯」という入浴習慣があります。湯長の合図に従って47℃の熱湯に3分間入ります。熱いというより痛いといったほうが正しいようです。1日に4回定まった時間に入るから時間湯と呼ばれています。この熱湯にとりつかれた人達がいます。
私達の研究では、熱湯に入ると脳から脳内麻薬といわれているエンドルフィンが分泌されて快感や恍惚感が得られることがわかりました。つまり熱湯 の魅力は麻薬と同じ耽溺・依存症だったのです。麻薬のような魅力にとりつかれて熱湯に入り続けているのですが、医学的効用はあまりない、いやむしろ副作用のほうが大きいという結果がでています。 体調の良い時の体験はすすめますが、体調不良や病気の時の熱湯入浴はおすすめしません。
私たちの昔の研究では、時間湯の連日浴はカテコラミン分泌を低下させ、精神・神経を和らげる効能がありましたが、医療の発達した現代ではこの荒療治はおすすめしません。
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A 温泉研究 Balneology Research
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温泉の科学 Page 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
②
温泉研究業績 Page 10, 11, 12 : 13, 14, 15, 16, 17, 18,
19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27,
③
温泉学会の案内 Page 28, 29, 30,
④
温泉療法医 Page 31
⑤
温泉医学アルバム Page 32
B 温泉療法 Balneotherapy
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①
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②
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何の治療法もなかった時代に、梅毒や癩病という難病に唯一手をさしのべてきたのが草津の「時間湯」でした。この荒治療には効果もあったようですが、犠牲者も少なくはありませんでした。化学療法の発達した現代では47℃の熱湯に頼る必要性はありません。医療としてではなく文化として残してほしいものです。体調の良い時に入浴してみてください。