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安全入浴法
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      4、脱水状態では血液粘度が高まり(血液がドロドロになり)、
        血栓ができやすくなる。
                  日本老年医学会雑医誌 24:23-29, 1997

      5、出浴後は水圧の影響がとれて血液が下半身にもどるため、
        一時的に脳から血液が出て行き脳虚血状態となり、脳血流が
                うっ滞するため、血栓ができやすくなる。
             日本温泉気候物理医学会雑誌 60:61-68, 1997

      6、高温浴では脳内麻薬エンドルフィン)が分泌され、
        恍惚感のため限度を超えて入浴したくなる。
                    Life Sciences 51:1877-1880, 1992
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      7、早朝は血圧が上昇し、脈拍が増加し、血液粘度が急上昇
        して、もっとも血栓症が起きやすい時間帯です。
                        Stroke 22:1326-1327, 1991
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      3、入浴により利尿物質(尿産生を引き起こすホルモン)が分泌
        され尿量が増えて、脱水傾向になる。
                    Life Sciences 69:1017-1021, 2001
安全入浴法

    温泉地で脳卒中心筋梗塞などの血栓症の発生が多いのは
    事実です。
    また、入浴中の死亡事故は大きな社会問題となっています。
    私達は温泉地での脳卒中や心筋梗塞を研究し、以下のことを
    つきとめました。
    
      1、強行日程での旅行脱水(体内の水分が奪われていく)
        を助長する。
                           Stroke 18:813-813, 1987

      2、高温浴により、血小板(血液の中にある細胞で、血液を
        固まらせる働きをする)は活性化し、線溶機能(血管内に
        発生した血栓を溶かしていく作用)は低下していき、
        血栓(血管の中で血の固まりができること)が発生しやすい
        状態になる。
             American Journal of Hematology 56:244-247, 1997
           International Journal of Hyperthermia 12:31-36, 1996
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道案内温泉医学Home (表紙
  温泉医学index目次
   A 温泉研究 Balneology Research Page 1
     ① 温泉の科学     Page  2,  3,  4,  5,  6,  7,  8,  9,
     ② 温泉研究業績    Page 10, 11, 1213, 14, 15, 16, 17, 18,
                       19, 20, 2122, 23, 24, 2526, 27
     ③ 温泉学会の案内  Page 28, 29, 30,
     ④ 温泉療法医     Page 31
     ⑤ 温泉医学アルバム Page 32
   B 温泉療法 Balneotherapy     Page 33
     ① 温泉療法の実際  Page 34
     ② 安全入浴法     Page 35
     ③ 泉質について    Page 36
     ④ 美人の湯       Page 37
     ⑤ 言い伝え        Page 38
     ⑥ よくある質問     Page 39, 40, 41, 42, 43, 4445, 46, 47, 48,
       49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 6263, 64


      10、軽い脳卒中や心臓発作でも浴槽内では溺死につながります。
                    NHK総合 Close Up現代 1999.1.13

      11、更衣室と浴槽の温度差が大きいと、血圧や脈拍の変動が
        激しく、脳卒中や心臓発作の危険性が増大します。
                    NHK総合 Close Up現代 2002.2.19

安全に入浴するために、これらのことに注意して温泉を楽しみましょう。
そこで、
    《安全入浴法》
      1 家族に知らせる、一人で入らない
      2 浴槽の蓋を活用し、事故防止を図る
      3 更衣室と浴室の温度管理
      4 入浴前後に水分補給
      5 42度以上の湯には入らない
      6 水位は胸まで
      7 朝の入浴は避ける
      8 飲酒後は入浴しない

                      (温泉療法医研修会テキスト 倉林 均 より)
を提唱しています。
      8、飲酒は脱水を助長し、就寝前の飲水は早朝の血液粘度の
        上昇を予防する。
              日本温泉気候物理医学会雑誌 53:137-140, 1990

      9、若い人でも入浴中の死亡事故があります。これは飲酒など
        による溺水が原因です。
 高温浴による高温と静水圧の結果、血小板の活性化、線溶機能の低下、接着分子の発現、血液粘度の増大、血圧の低下、水浴性利尿などの生体反応が起こり、これに動脈硬化や血管内皮障害などの疾病因子が加わり、さらに飲酒朝風呂寒い浴室などの環境因子が重なり、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症が引き起こされます。

 高温浴長湯飲酒入浴朝風呂、など美しい日本の文化?ですが、脳卒中年齢に達したら健康には十分注意して温泉を楽しんでください。

 楽しい温泉旅行ですので、無理をしないよう節度ある入浴を心がけてください。
高温浴による血栓症の発症メカニズムは下記論文:

Kurabayashi H:
Thrombotic and hematostatic reactions to bathing in hot hot-spring.
Jpn J Balneol Climatol Phys Med 78: 177-186, 2015

で解明しました。簡単にまとめると以下の図のようになります。