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温泉医学Home (
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温泉医学index (
目次ページ)
A 温泉研究 Balneology Research
Page 1
①
温泉の科学 Page 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
②
温泉研究業績 Page 10, 11, 12 : 13, 14, 15, 16, 17, 18,
19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27,
③
温泉学会の案内 Page 28, 29, 30,
④
温泉療法医 Page 31
⑤
温泉医学アルバム Page 32
B 温泉療法 Balneotherapy
Page 33
①
温泉療法の実際 Page 34
②
安全入浴法 Page 35
③
泉質について Page 36
④
美人の湯 Page 37
⑤
言い伝え Page 38
⑥
よくある質問 Page 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46,
47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55,
56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64
Page 40
日本温泉機構物理医学会総会プログラム
平成6年、平成15年、平成27年に総会を主催しました
次に「効能」をはっきり理解する必要があります。
効能にない効果を期待しても、それは無理な相談です。たとえば殺菌作用のない泉質の温泉に入って、水虫が治んねえじゃねえか!と怒鳴ってみても笑われるだけです。これは効く効かないという評価の対象外です。
もっともこの「効能」というのが実はうさん臭いんですよ(効能については後述します)。
1)温泉は本当に効くんですか?
効きます。
ただし、何でもかんでも効くわけではありません。
温泉療法は対症療法であることを理解したうえで、泉質、効能、適応症をよく確認することが重要です。
温泉療法の効果がでてくるには1~2月はかかります。たかだか2-3日入浴しただけで効果を判定するのは不可能です。
1回や2回入浴しただけで、「効かねえぞ」というのは論外です。
現在日本には2,200くらいの温泉地があり、約2万の鉱泉がありますが、大半は単純泉で家庭の風呂より少しは効くかなという程度です。単純泉というのは溶けている物質の濃度が少ない(1.0 g/L 以下)温泉のことです。私達が長年研究してきた草津温泉は鼻をつくような臭いがするほどの高濃度のイオンやガスを含み、多くの医学的作用があります。150年前にドイツのベルツ博士が草津温泉を世界に紹介してから今日にいたるまで草津温泉の治療効果は国内外の医学の学術雑誌に多数掲載され、認知されてきています。もちろん草津温泉だけではありません、今でも多くの温泉医学研究者が各地の温泉の治療効果を世界に発信し続けています。
草津温泉 湯畑
最後に、温泉療法は対症療法であり、根治療法ではないことを再確認して下さい。
たとえばアトピー性皮膚炎に対しては、原因である免疫異常を温泉で治癒させることはできません。しかし悪化の原因である皮膚表面の黄色ブドウ球菌を温泉水で殺すことによって皮膚症状をかなり軽減させます。
私達の研究では、草津温泉により心不全、高血圧、肺気腫、喘息、関節リウマチ、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、乾癬、褥瘡など多くの人達の「症状」が軽快しましたが、決して「原因」を除去したわけではありません。病気の原因は全く治ってませんが、対症療法として温泉が「効いた」と評価します。
まず「効く」ことの定義をはっきりさせとく必要があります。
たとえば家庭の水道水の風呂でも腰痛だとか膝痛とかがある程度軽減しますが、温泉でも同じ程度の効果だったとしたら、温泉が「効く」とは言えないでしょう!?高いお金を払って温泉地へ旅行したのに、自宅の風呂と同じ効きめなら、「金かえせ!!」と言いたくもなりますよね。つまり家庭の風呂(水道水)と同等の効果なら、「温泉としては」効かない。ただし「風呂としては」効くということになります。
温水浴による効果だけでなく、温泉による効果も上乗せできなければ
効いたと判定できません。